どこぞの居酒屋で、「美味しいサンマ料理を食べてきた」とはしゃぐカミさん。
サンマの燻製を焼いたものを、粗めの大根おろしで一緒に食べたそうで、それが絶品だったとのこと。
「サンマの燻製なんて初めて。すんごく美味しかった。それに、大根おろしがキモ。粗っぽく卸した大根の歯ごたえがたまらないの。水っぽくないし、甘みがあるのよね。店員さんに聞いたんだけど、『鬼卸し』っていう大根卸しですってあるんだって」
鬼おろし。
なんとも、おっかない名前ですが、シャキシャキとした歯ごたえの大根おろしをつくる調理器具だそうです。
カミさん、竹製の鬼おろしを買いに行く。
「千葉の成田山近くに、竹製のいい鬼おろしがある」という情報をどこからか仕入れきたカミさん。
カミさんは、「新勝寺にお参りに行って、そのついでに買いに行く」とはりきっています。
こういうときは、半強制的にお供しなければなりません。
鬼嫁を持つ、あっ、間違い。鬼おろしが欲しいというカミさんへお供するのは、ダンナの勤めです。
で、買ってきたのがコレ。
「鬼のような歯」ということで、鬼おろしというそうです。
箱形になっていて、すった大根が下の箱に落ちるようになっています。
さっそくすってみると、いい感じです。
ザクザクとした歯ごたえのある粗っぽい大根おろしの出来上がります。
どんな料理にも合う鬼おろしの大根おろし。
不思議と粗っぽい大根おろしは、甘みが増すようです。
普通の大根おろしですったものならちょっぴり辛いと感じるものでも、鬼おろしですると、美味しくいただけます。
大根の水分でべちゃべちゃにならず、適度が歯ごたえがあって、心なしか甘みも増して美味。
新食感の大根おろしです。
1度鬼おろしを使ってしまうと、もう普通の大根おろしには戻れません。
焼き魚はもちろん、和洋どんな料理も合います。
お鍋に入れてもいいし、生姜焼き、焼き肉にもピッタリ。
マグロ丼にもバッチリ合います。
竹製鬼おろしの欠点
たまたまだったのかもしれませんが、竹製の鬼おろしには、いくつか欠点を感じました。
1つは洗った後の乾かすのに時間がかかること。
それから、個人差があると思いますが、竹の匂いが少し気になりました。
古い木製品の匂いがしたのです。
洗ったり、干したり、熱湯をかけてみたりと、いろいろ試しましたが匂いは一向に取れません。
ジッパーつきのビニール袋に入れておこうかとも考えましたが、ダメだそうです。
カビしてしまうようです。
「まあ、気にしければ平気」
と、しばらく使っていましたが・・・。
購入して1ヶ月ほどたった頃。
使用回数は3〜4回ほど。
陽気のいいある日、鬼おろしを使ってみようと取り出すと、小さな黒い虫がついていました。
しかも数匹。
鬼おろしを置いてあった周辺を調べると、そこにもさらに数匹。
数ミリ程度の黒い虫。初めて見た虫です。
竹製の鬼卸しをよく観察してみると、針で開けたような穴を数十ヶ所発見。
もしや、虫食い？
ネットで調べると、出てくるわ出てくるわ。
竹製の調理器具は防虫処理がほどこせないらしく、虫がついてしまうことがあるようなのです。
竹の中に卵を産み付け、繁殖し、竹の内部を食い荒らしてしまう「竹食い虫」。
購入したときから中に卵が産み付けられていたのでしょう。
それがちょうど良い気候になり、卵からかえって活動開始した模様。
熱湯で駆除するという方法もあるらしいのですが、根絶は難しいらしい。
放置しておくと、他の木製品にも被害が及ぶことがあるとか。
ものすごく気に入っていたので、がっかりです。
そんなわけで、泣く泣く処分することに。
リベンジ、鬼おろし。
でも「鬼おろし」そのものは、大変気に入っています。
あの食感、あの味。
1度食したら、忘れられない。
それくらい美味しいのです。
もしかしたら、大根を最もおいしくいただける食べ方なのではないでしょうか。
キング・オブ・大根おろしです。
あきらめきれないぼくは、ネットで探しました。
そして、発見したプラスチック製の鬼おろし。
これなら虫食いとは無縁です。
しかも値段もお手頃。
竹製の半分以下、いえ、3分の2程度で買えます。
さっそく購入した新しい鬼おろし。
スケーター 鬼おろし付 水切り 大根おろし おろし器 日本製 SDO10N
竹製と比較すると少しサイズが小さかったですが、全体的にはよい感じです。
優れているのは、水切り用のスノコがついていること。
普通の大根おろしもおろせるようになっていること。
つまり、これ1つあれば、鬼おろしでもみぞれでも、ダブルオッケー！ということです。
最初からこれを買っておけばよかった。
（そんなことは、恐ろしくてとてもカミさんには言えませんが・・・）